さらばVSE

2023年12月10日、小田急50000形・ロマンスカーVSEが引退したので、見送ってきました。人混みが苦手な私は普段、このような人が集まりそうなイベントにはあまり行かないのですが、さすがにVSEは別格なので、珍しく行くことにしました。

撮影場所は色々考えたのですが、光線やらアクセスやら考えて、結局お馴染みの祖師ヶ谷大蔵にしました。

幸いなことに天気は快晴。

VSEの通過時刻の2時間ほど前に到着したのですが、既にかなりの人が集まっており、また時間が近づくにつれてどんどん人が増えていきました。VSEの人気を実感。

まずは唐木田から来て緩行線を新宿方に上っていくVSEを撮影。他のオタクの手が写ってしまっていますが……。

この方向はド逆光なのですが、VSEの形状が形状なだけあり、思ったよりは顔にも光が当たりました。むしろ半面光っぽくてかっこいいかも?いや、半面というには影になりすぎですが。

ちなみにこの列車にはフォロワーが乗っています。こちらから向こうは確認できませんでしたが、向こうはこちらの姿をバッチリ確認していたようです。

続いて、急行線を走行するVSEを撮影。

人が多すぎて、このカメラを買って初めて行うライブビュー撮影に苦戦し、ベストな構図は組めないながらも、なんとか編成写真を撮影できました。

運転士もパノラマ席のお客も手を振ってくれました。

登場から僅か18年、「新型のロマンスカー」が本線上を走行する最後の写真となりました。

なお、余談ですが、VSE通過の直前には俄かにクヤ検が登場して軽く盛り上がりました。

続いて、海老名のロマンスカーミュージアムへ移動。

屋上からVSEを見送れるとのことだったのですが……

ご覧の通り人間が多すぎて何も見えませんでした。VSEが通過すると、子供たちからも大歓声が上がっていました。改めて人気のある車両だったんだな、と。私は何も見えませんでしたが、雰囲気を味わえただけよかったということにしておきましょう。

ロマンスカーミュージアムの室内でも、VSE関連の展示が盛大に行われていました。

メッセージボードを見た瞬間、泣きそうでした。

メッセージが少ない?いえいえ、実はこのボード、いっぱいになると全部剥がしてアルバムに保管されるシステムになっていまして、既にそのアルバムが4〜5冊はありました。

せっかくなので、私も一筆添えてきました。暇な方は探してみてね。

その後、先程の列車に乗っていたフォロワーと合流し、成城学園前に到着する最終列車の到着と回送を見送ることに。

人が多すぎてまともな写真は撮れていません。もちろん想定内ですが。

この時は珍しく動画を撮影していたので、写真は少なめです。

入線してきたVSEは、10分ほど成城学園前に停車したのち、ミュージックホーンを鳴らし、ファンの拍手に見送られながら、静かに去っていきました。

大人気車両のラストランでしたが、特別荒れるようなこともなく見送ることができてよかったです。

また、子供や女性にも大人気だったのも印象的でしたね。私の好きな他の鉄道車両って、基本的に物好きなオタクしか好まないようなものばかりなので。小田急のブランド戦略の賜物でしょうか。

それにしても、まさか生まれて初めてラストランを見に行くのが、登場から18年しか経ってない電車になるとは思いませんでした。小田急ユーザだった大学時代の通学途中に何気なく見ていた白くてかっこいいロマンスカーですが、もう二度と客を乗せて走ることがないとは信じられません。

小田急の沿線民や利用者ならわかると思うんですが、VSEって確かに特別な車両なんですけど、それと同時に、小田急に乗っていたらごく当たり前に見かける光景で、なんというか日常に溶け込んだ非日常というか。そういったところにも、小田急ロマンスカーの魅力ってあったと思うんです。特殊な構造が祟ったとはいえ、実に惜しいものです。

個人的に、中央快速線の201系が引退した時以来ぐらいの感傷にさらされています。言っても小田急を日常的に利用していたのは大学時代だけなのですが、それでこの有様なので、西武2000系が引退したら80年ぐらい立ち直れなそうで怖いです。

まあ、最後の姿をこの目と写真に収めることができたので、とりあえず悔いはありません。これからの人生、様々な別れがあるのでしょうが、いつか来るその日に後悔することのないよう、意識して生きていきたいと思います。

Kasumi

投稿者: Kasumi

東京都青梅市在住。鉄道マニア。

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