【2025/10/10】383系とピーチライナー

10月11日に、トヨタ博物館にてセラのオーナーズミーティングがありまして、そこに参加するために中京圏に行ってきました。

トヨタ博物館ぐらいの距離なら当日に出発してもよかったのですが、前乗りして前日の10日に出発することにしました。高速道路はトンネル火災で通行止めになって2時間足止めを食らうリスクがありますので。(トラウマ)

そんで、前日は特にやることもないので三岐鉄道まで行って805Fでも撮ろうかと思っていたんですが、その日は台風接近で晴れ間は絶望的、そしてそもそも805Fが運用に入っていないという……。なんか私、どっか行くたびに台風接近してません?

で、何をしようか考えた末、383系を撮ることにしました。普通に好きな電車ですし、子供の頃に親に無理言って乗せてもらったことのある思い出の電車でもあります。383系は既に余命宣告されていることもあり、今のうちに記録しておこうかなと。撮影地は、辛うじて晴れ間が期待できないこともなさそうな予報が出ていたので、神領駅に決定しました。

ということで、しなの1号に間に合うように、10月10日午前3時、青梅を出発。

浜松SA

朝6時頃、第一目的地の神領駅に到着。

神領駅前のコインパーキング

余談ですが、120km/h巡航でエンジンを良い感じに回し続けてやると、やはりその後のエンジンの回り方が軽くなるというか、なんと言うべきか、とにかくかなり良くなる気がします。

普段はどうしても街乗りメインになってしまうんですが、そういう止まったり動いたりを頻繁に繰り返すような運転って、本当はエンジンにとってよろしくない環境なんですよね。なので、やっぱりこうして定期的にしっかり回してやることが必要なんです。もちろん、日頃のメンテナンスがしっかりとされていることは大前提です。

閑話休題。

8時15分頃に通過するであろうしなの3号までは撮りたいのですが、入場券の有効時間は2時間なので、6時に買ってしまうとちょっと時間が足りません。ということで、しばらく時間を潰してから入場券を買い、神領駅に入場。

天気は……

意外と悪くないかも?

ダメでした。ちなみにこいつは出庫電。

ホームライナーが通過。こいつは折り返しでしなの3号になります。オデコのライトがかっこいい。遠目にも383系であることが一発でわかります。385系にもこの意匠は引き継がれてほしいです。

知ってはいましたが、本当に315系ばかりです。JR東海の路線なのに、313系すら居ないとは……。子供の頃からJR東海区間にはどこにでも313系が居て当たり前だったので、ちょっとショックです。

3000番台との離合。0番台のスッキリした顔面も好きですが、幌枠付きのゴツい顔面も結構好きです。

この日は平日で、中央線は名古屋への重要な通勤路線なので、それなりの本数があります。とはいえ、名古屋周辺は車社会なので東京ほどの本数はありませんし、東京の通勤ラッシュほど殺伐とした感じではありません。同じ中央線でも東西でこんなに違うんですね。

快速。LEDのフォントが良いです。止める気は皆無ですけれども。

1001M、しなの1号。6両編成。カッコ良いです。

何だかは知りませんが、神領の車庫からの出庫電です。写真ではわかりにくいですが、10両編成を組成しています。長野方面まで回送されて下り特急になるんでしょうか。今回撮影した中で唯一の10両編成でした。

今回唯一の晴れカット。どうせなら383系の時にこの光線が欲しかったという気持ちがないと言えば嘘になりますが、とはいえ太陽光を浴びた315系もカッコ良いのでヨシとします。

1003M、しなの3号。8両編成。カッコ良い。

とりあえず目的の383系は記録することができたので、改札を出ます。

朝早くから活動しているせいで流石に眠くなってきたので、車内で仮眠してから、次の目的地へ出発。

セラ、ゆとりーとラインだよ……

ゆとりーとラインは、ある種の新交通システムです。専用のガイドウェイを走る「ガイドウェイバス」と呼ばれるもので、一見するとバスのような交通機関ですが、法律上は「軌道」にあたります。海外には複数の路線がありますが、日本にはここだけしかありません。

ここを走るバスには「案内輪」と呼ばれる装置がついており、この案内輪がレールに沿うことで走ります。そのため、このガイドウェイ区間内は運転士のハンドル操作を必要とせず、アクセルとブレーキだけを操作します。

こちらも別日に撮影。この見た目でも法律上は「軌道」。赤丸で囲んだ部分が「案内輪」

この方式の最大のメリットは、普通の道路に乗り入れて普通のバス路線との直通運転ができることです。専用軌道区間では鉄道のような定時性を確保しつつ、末端部ではバスとして走ることで地域に寄り添ったきめ細かい輸送ができるわけです。

そんなゆとりーとラインが「バス」から「軌道」に切り替わる場所を通りました。面白いですね。

とはいえ、ゆとりーとラインは2026年を目途に現在の「軌道」から通常の「バス専用道」へ切り替えることが検討されており、もう先は長くないでしょう。記録しておきたい方はお早めに済ませておいた方が良いです。自分はゆとりーとラインの記録についてはもう済ませてあります。

いや、目的はゆとりーとラインじゃないんですよ。ただ、途中の道が大渋滞していて、ゆとりーとライン見るぐらいしかやることがなかったんです。

真の目的はこちら!

桃花台新交通「ピーチライナー」の保存車両です。豊田市内の企業の敷地内に保存・公開されています。場所はGoogleマップで「ピーチライナー保存車両」と検索すると一発で出てきます。車内に入ることもできます。

ピーチライナーはSimutransのアドオンを作ったこともあるほど好きなんですが、現物を見るのは初めてです。素晴らしい。いや~本当によく保存してくださっています。

桃花台新交通ピーチライナーは、小牧市にある桃花台というニュータウンのための交通手段として1991年に開業したAGT路線です。桃花台から名鉄小牧線の小牧駅までを結ぶ、事実上桃花台住民専用の公共交通で、ニュータウンの建設と同時に計画が進められました。

ただ、当時の名鉄小牧線は上飯田止まりでしたから、名古屋方面に行きたい乗客はそこからバスに乗り換えるか、隣の平安通駅まで徒歩で移動するしかありませんでした。住民の大多数は名古屋へのアクセスを望んでいますから、これでは不便すぎます。そのためピーチライナーの利用者は少数にとどまり、多くの人々は自家用車でJR春日井駅まで出てからJRで通勤していたそうです。

「桃花台にはピーチライナーがあるから」とバス路線もなく、不満を持った住民たちは、とうとう自主的にJR春日井駅行きの会員制バスを運行し始めてしまったそうです。また、そもそもの需要予測に問題があったり、次第に小牧市内に通勤する人が増えたりと、開業以来一度も黒字になることがなく、「ピンチライナー」なんて呼ぶ人もいたらしいです。

もちろん桃花台新交通側もそんな状況を黙って見ていたわけではなく、多くの経営努力を積み重ねたのですが、利用者が少ない根本的な原因が解決されない以上は打開策となることはなく、とうとう2006年に廃止されてしまいます。わずか15年間しか運転されなかったどころか、「日本で初めて廃線となったAGT路線」という不名誉な記録すら打ち立ててしまったのでした。

そんで、ピーチライナーが開業した1991年といえば、私の愛車・セラが販売中の時期と重なるんです。私はどうも、90年代への憧憬を捨てきれないようです。

と、一通りピーチライナーを見た後は、とっとと宿にチェックインしちゃいました。もう朝早すぎて疲労が限界に達していたので。

部屋から見える景色がこれで神でした。

疲れすぎて10時間寝ました。

いよいよ翌日がミーティング本番です。続く!

Kasumi

投稿者: Kasumi

東京都青梅市在住。鉄道マニア。

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